効果的なお世辞の回数

感情の動物である人間は、人の話を聞いて涙を流し、テレビを見ては笑いを誘われ、新聞を読んでは怒りを感じたりする。

目に触れ、耳に聞こえるものすべてに心を動かされる。その感情表現は人さまざまだ。その心の動きこそが感情なのだ。

英語のフィーリング(feeling)の語源は「触れる」という意味だ。

多くの心理学者が、感情についての様々な説をとなえている。中でも感情を身体的側面と精神的側面の2つのファクターからアプローチしたM・シェーラーの説は、感情の複雑さを比較的わかりやすく説明している。

そのM・シェーラーの説によると、感情には身体的側面と精神的側面の2つの側面の配分により、4つの階層が現れるとした。

▽第一階層:肉体に受ける刺激によって起こる感覚的な感情で、「苦痛」と「快楽」が含まれる。

▽第二階層:体全体で感じ取る感情。「緊張感」、「倦怠感」、「充実感」が含まれる。

▽第三階層:一般的な感情のことで、「喜び」、「怒り」、「悲しみ」が含まれる。

▽第四階層:感情の最上層部のことで、「平和への希求」、「宗教的喜び」が含まれる。

この感情の4つの階層を見ると、その場の状況や欲求に支配されていることが多いことがわかる。特に、たったひとつの言葉が、第二階層・第三階層の感情を刺激して、ある時は人を不安のどん底に陥れる、ある時は歓喜の渦に巻き込む。

たとえ、お世辞であることが分かっていても、誰しも褒められるのは悪い気はしない。褒められれば単純に嬉しい。もっと褒められればもっと嬉しい。なので、人にお世辞を言う場合は1回だけでは効果が薄く、何度も褒めることによって相乗効果が生まれ、そのパフォーマンスを発揮するのだ。

お世辞感情