文章の鮮度

耳新しい「若者言葉」や、流行している言い回しをどこまで取り込むかは、風雪に耐えうる文章を書こうとする人間が常に神経を使うところだ。

これに関して、作家の村上春樹が興味深い考察をしている。
『ライ麦畑でつかまえて』の題名で知られるJ・D・サリンジャーの作品を新訳するとき、原題をカタカナ表記しただけの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の題名で発行した。

その翻訳の課程でサリンジャーの「若者言葉」を日本語にする中で試みた「用語仕分け」の実践例を語っている。

「ダサい」使えない
「サブい」使えない
「いかす」古過ぎる
「マジで」ケースバイケースでつかえる
「ユルい」なんとか使える
「シブい」古くなっている気がする

文章の鮮度を何十年も先まで見通す「用語仕分け」にも「事業仕分け」のレンホウに勝るともとも劣らないきつい眼光が必要なようだ。